カテゴリ:COMIC( 4 )
裁判員制度に向けて個人的に推奨する漫画



 既に始まってるのになんですが‥‥‥今更ながら裁判員制度ってすげぇな。

いきなり選出された人達が被告の人生を左右する判決を下したという業を一生背負うなんて。
俺達にナイーヴな心なんてねぇと思ってんのかな、国は。バカなんじゃねえの?

審議内容の守秘義務も一生だという。
いきなり秘密が詰まったカバンを握らされて「墓まで持ってけ」と言われるなんてもう国家規模の恐喝みたいなもんだ。

オマケに判決も多数決。
正義は真理ではなくて過半数だと豪語しているようなものだ。なんて恐ろしい事だろう。

何よりも恐ろしいのは、自分が正義だと信じ込みながら人を裁く時の自分のツラだ。



しかもほら、テレビで政治家とかが散々言ってるじゃんか
「裁判に皆さんのフレッシュな意見を」って。
‥‥‥ホントバカなんじゃねぇの!?
フレッシュだろうが干からびてようが判決は判決だろうがよ。
グロい現場写真見せられて心に闇抱えちゃったらどうしてくれるんだよ。
俺の友達にゃ虫の死体も見れねぇナイーヴな子何人かいるぞオイ。

あの法律決めた奴らはもうちょっと勉強した方が良い。
「モリのアサガオ」ってマンガ読んで勉強した方がいい。
「家裁の人」も読んだ方がいい。
麻生さん読んでねえのかなぁ?
まぁ麻生だけ読んでてもしょうがねぇけどさ。




‥‥‥てなわけで、今日紹介するマンガは2本
「モリのアサガオ」郷田マモラ

「家裁の人」作 毛利甚八/画 魚戸おさむ



「モリのアサガオ」‥‥死刑には、宣告を受けてから執行されるまで様々な手続きがあり、恐るべき時間を要する。
どんなに社会を騒がせた凶悪犯でも、死刑が確定した時点で人々は忘れ去ってしまうが、社会が忘れ去った後も殆どの死刑囚は生きている‥‥‥死刑の順番を待つ為に。
死刑囚の世話をする刑務官の目線から、死に怯える人間達と法の在り方を描いた大人向けのストーリーです。(完結済み)

絵がかなり独特ですが、そのお陰でディープ過ぎる内容もエグくなりません。
裁判員に選ばれてみてえなぁ~なんて気楽に思ってるアホは一回読んでみよう!
ちょっとした虚しさを味わえたら君は大人だ!



「家裁の人」‥‥‥家庭裁判所で働く家庭栽培好きなオッサン裁判官が主人公。
人の生活に根付いたドロドロした問題の数々を、毎回花や草木の生態になぞってハートフルに描く。

法律関係の方で、この漫画を愛蔵している人はかなり多いそうです。
ちなみにうちの実家のトイレにはこれが全巻揃ってて、家族全員でハマってました。

裁判員制度は刑事事件だけですが、この漫画を読んでると民事裁判も相当めんどくせえんだなぁ~と解る。
刑事事件よりも「罪の在り方」が複雑な民事裁判は、裁判官や裁判員の心が問われる気がする。
けっこう長編で、ラストの数巻にまたがって描かれている少年犯罪の話はかなりイイ。
グチャグチャでドロドロでザクザクだけど、少年の初々しさと清々しさが混在してて、なんかもう最終的には「うわぁー 」ってなる。




 ‥‥‥‥ヴ●ッ●バ●ガ●ドもさぁ、偉そうに手塚治虫の漫画並べる前に良質な社会派漫画一式揃えろっつんだよなぁ、ったくよ。
ほんとアイツ等ファッション感覚だからよ、ムカつくんだよ。
「フレッシュ裁判」とかゆってる政治家もファッション感覚なんじゃねぇの!?
人を裁くなんて怖くてしょうがなくて当たり前だバカヤロウ。

あー、なんか腹立ってきた‥‥‥

漫画と裁判にはもっと気合い入れろよな!

あとな、ウチの近所の本屋なぁ!IKKIコミックスをモーニングKCと同じ列に並べるんじゃねぇよ!!探しづれえだろが!!

気合い入れて陳列しろやぁ!!
[PR]
by fozztone | 2009-05-25 08:46 | COMIC
海獣の子供



 最近ではないけど、前から気になっていた漫画を買った。


はい、こちら
『海獣の子供』五十嵐大介
f0201843_19203872.jpg




 あらすじは‥‥‥

「もしかしたらあの2人はジュゴンに育てられたのかもしれない」
奇妙な出生と得意な体質を持つ2人の少年と、学校で行き場を失ってしまった少女が出会い、ストーリーは始まる。
世界中の海や水族館で続発する魚が発光して消える怪現象―――回遊ルートを外れて世界中から小笠原に集まってくる魚、深海魚、海の哺乳類―――古くから続く、海にまつわる奇妙な伝説と証言―――それら全てが2人の少年を中心に、急速に渦巻いていく‥‥‥


‥‥みたいな。


 最近のマンガで凄いなと思うところは、平坦な日常を描きながらいつの間にかファンタジックな世界に移行しているところ。
この漫画にもしばしばファンタジー全開のシーンが登場するけど、それに違和感を感じさせない為の仕込みが素晴らしい。
作者の五十嵐さんと担当編集者の方が集めてくる海洋に関する情報量はきっと膨大な量だろう。

一部ネタバレになってしまうが‥‥‥
【ネタバレ:3巻のラストで主人公達がクジラに丸飲みされてしまうシーンがあって、そこだけ見ると「ピノキオかい!」とツッコミを入れたくなるけど、始めから読み進めているとその演出に違和感はあまり感じない。

又、ファンタジックとは言っても一部の童話や古典に見られる様な「妙な不気味さ」がある。
絵の可愛さもあって、「爽やかな不気味さ」「柔らかなエグさ」が、好みを問わず人を惹きつける‥‥‥と思う。

俺は小学校の頃ずっとスイミングスクールに通っていた事もあって、水の描写や泳ぎ方の描写にとても懐かしさを感じる。
それから、極限までスケッチテイストで描き込まれた「荒くて丁寧な背景」もツボだ。
人間がカリカリ描いている温かみにスタッフ全員の努力が見えて、漫画愛で血がタギル。

マニアックな視点でアレだが、装丁も結構イイ。


ぜひ夏が来る前に4巻が出たら、ゴーグルとシュノーケルを持って海に行きたい。
[PR]
by fozztone | 2009-05-06 19:20 | COMIC
ダークマターを触りに行く



 「28にもなって漫画が好き?」と言われると眼球周辺が熱くなる。

あハハ。

俺が子供の頃から“漫画好き=コミュニケーション下手”みたいな偏見、あるいは“漫画ばっかり読んでるとバカになるよ”的なお小言だったり‥‥‥

まぁ、言わんとする事の真意は解るがね。



 きっと漫画家の先生方もそう言われて育ってきたトコはあるだろう。
ミュージシャンも似たようなものだ。
知人の子持ちバンドマンが「子供の幼稚園とか行くとさ、バンドマンって肩身狭いぜ~」と、苦笑しながら言っていた。

そんなもんだよな、やっぱり。

‥‥‥漫画の話に戻るが‥‥‥(笑)
昔の漫画はそりゃぁコミュニケーションを舐めてる所があったね、上手く行きすぎる展開とかさ、受け身でも事が運んでいく感じとかさ。
でも昔の漫画にとってはソコは重要なポイントじゃなかったんだろうね。

それを解ってるからだと思うけど、愛する漫画を貶され続けて尚、漫画家になった最近の作家さん達は異常なほどコミュニケーションを題材にしている方が多い気がする。

疎ましいくらいコミュニケーション不足が叫ばれる昨今に、ディスコミュニケーションの代名詞の様に扱われてきた漫画文化が放つ「心の交流」はとても奇妙で根源的だ。
ライブがある俺達ミュージシャンは幸福だ。作品を送り出すのみではなく、ナマの反応を得られる。
しかし、漫画家という送信のみの作り手がコミュニケーションというダークマターに触れに行く。これは面白いパラドックスだ。

その辺が未だに漫画離れ出来ない理由でもある。
まぁ、要は面白いって事。




 それと、最近の漫画が面白い理由をもう一つあげると‥‥

映画制作の様な金銭的、人員的、社会的な制約が極めて少なく、限られた人数で作られた「作品から作者のエゴが透けて見える世界」だからだ。

自分がミュージシャンをやっていて今更こんな事を言うのも遅いが、個人が反映されるほどにあらゆる作品は面白くなる。
だけど常に受け手が大人とは限らない。
不安を抱える人や子供達には他人のエゴが毒になる事めある。
漫画家もミュージシャンも、「人として至らない自分」に甘んじてはいけないのだろう。




チビシー。
[PR]
by fozztone | 2009-05-04 01:40 | COMIC
ミツバチのキス



 またムダにカテゴリーを増やしてしまいました。

読んでみて面白かった漫画についてダラダラと語ろうかな‥‥‥と、そんなんです。



 最近面白かった漫画は『ミツバチのキス』伊図 透
f0201843_264949.jpg

(怒られたら画像消します)

あらすじは‥‥‥

振れただけで人の未来や過去、病気や探し物、果ては家族の将来までが見えてしまう「全能」の力を持った少女。
彼女は新興宗教団体の預言者として、信者からの献金や政財界とのパイプ作りに利用されながら監禁生活を強いられていた。

国家間の情報戦に先手を打ちたい日本政府は彼女の「全能」に目を付け、引き抜きを画策する。
国家から彼女の監視役に送り込まれたのは、「完璧な書類を作る男」と呼ばれる情報局の中年役人。
図らずも脱走した彼女と中年役人は出会い、交渉から転じて逃避行が始まるのだが‥‥‥


みたいな。

一見するとサスペンスの様でもあるけれど、メンタル描写に重点を置いた“大人向けアイロニー”が満載の心のドラマ。

「全能少女」と「ただ書類を作るのが上手いだけの中年」、
能力で人の全てが見える少女に対し、盗聴器や監視カメラで彼女の全てを覗こうとする政府、
宗教団体となんら変わらない目的を正義と割り切る国家、

劇中の色々なものが多分に毒を含みながらグチャグチャと対比されつつ、少女と中年役人の交流はひどく純粋。
決して触れあわずに心を通わせていく描写はなかなかオモロかった。

作者の伊図透さんはコミック発売に向けてかなり加筆したらしく、時事ネタに対する皮肉も鮮度が高いので読み応えアリ。

が、一部に蔓延しているクソみたいな「心をスレさせる皮肉が満載の漫画」ではない。
テンポもやや緩く、決してバイオレンスは無い。
一度絶望した上で、もう一度人を信じてみようとする気持ちを与えてくれる漫画じゃなかろうか?



 触感がフワフワしてそうなタッチの絵はどこか、宮崎駿監督が漫画で描いていた方の「風の谷のナウシカ」を思い出す。

大人に利く名言多数あり。
[PR]
by fozztone | 2009-05-02 02:06 | COMIC